ウーチーの薬剤師冒険記 第6弾:「降圧薬の副作用、どこをチェックすべきか?」

高血圧

みなさん、こんにちは!ウーチーです。今回の「ウーチーの薬剤師冒険記」では、日々の臨床で降圧薬を扱う際、どの副作用に注目してチェックすべきかについてお話しします。添付文書には多くの副作用が列挙されていますが、本当に気をつけるべきものを見極めるためのコツを共有したいと思います。

副作用と添付文書の現状

降圧薬を始めとする医薬品の添付文書には、臨床試験や治験で発生したすべての副作用が記載されています。しかし、実際には頻度が低くほとんど見られないものまで含まれており、現場での副作用チェックにおいてノイズとなることも少なくありません。

「どんぐり未来塾」の考え方を取り入れる

ここで役立つのが、どんぐり未来塾の『薬物動態マスター術 第2版』で提唱されている理論です(参考文献:どんぐり未来塾『薬物動態マスター術 第2版』)。この書籍では、薬理作用に基づいて副作用が起こりやすいかどうかを見極める考え方が紹介されています。薬理作用に関連した副作用は薬の作用機序上発生しやすいとされ、降圧薬であれば、血圧が下がりすぎることによる低血圧が起こる可能性が高いという考え方です。

降圧薬の薬理作用と副作用の関係

ここからは、各降圧薬の薬理作用を踏まえ、現場で特に確認しておくべき副作用について解説します。

1. カルシウム拮抗薬

  • 副作用:ふらつき、浮腫、頻尿
  • 薬理作用と副作用の関係
    • カルシウム拮抗薬は血管を拡張することで血圧を下げますが、その影響で血管外に液が漏れ、浮腫が生じやすくなります。
    • 血管拡張の影響で血流が変化するため、ふらつきも起こりやすくなります。
    • 一部で腎血流が増加し、頻尿が起こることもあります。

2. ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)

  • 副作用:ふらつき,高カリウム血症
  • 薬理作用と副作用の関係
    • 血圧を下げる作用が強く、急に立ち上がった時などにふらつきが見られることがあります。

3. ACE阻害薬

  • 副作用:空咳、ふらつき、高カリウム血症
  • 薬理作用と副作用の関係
    • ACE阻害薬はブラジキニンの分解を阻害するため、空咳が起こることが多く、特に患者が不快感を訴えることが多いです。
    • 血圧が下がりすぎることで、ふらつきも生じることがあります。

4. β1遮断薬

  • 副作用:ふらつき、息切れ、徐脈
  • 薬理作用と副作用の関係
    • 心拍数を抑制するため、徐脈疲労感が生じやすくなります。また、血圧低下によりふらつきが見られることもあります。

5. サイアザイド系利尿薬

  • 副作用:ふらつき、腎機能低下
  • 薬理作用と副作用の関係
    • サイアザイド系利尿薬は、血圧を下げる効果のほか、電解質排出を増加させるため、ふらつき脱水を招くことがあります。また、腎臓への負担がかかるため、腎機能低下にも注意が必要です。

6. MR受容体拮抗薬(スピロノラクトンなど)

  • 副作用:高カリウム血症、女性化乳房
  • 薬理作用と副作用の関係
    • MR受容体拮抗薬はカリウムを体内に保持するため、高カリウム血症のリスクが高まります。スピロノラクトンはホルモン作用にも影響するため、女性化乳房が生じる場合があります。

7. α1受容体遮断薬

  • 副作用:ふらつき、立ちくらみ
  • 薬理作用と副作用の関係
    • 血圧を下げる効果があり、立ち上がり時に立ちくらみふらつきが起こることが多いです。

実際に副作用をチェックする際のポイント

薬剤師として、降圧薬の副作用チェックでは上記のポイントを押さえた上で、患者さんに合った対応を行うことが重要です。患者さんがふらつきや立ちくらみを訴えた場合には、服用時間の調整や、降圧効果の調整を検討する必要があります。また、腎機能低下や高カリウム血症が懸念される場合は、定期的な血液検査も視野に入れるべきです。

どんぐり未来塾の書籍のご紹介

最後に、今回の内容をさらに深く学ぶためにおすすめしたいのが「どんぐり未来塾」の『薬物動態マスター術 第2版』です。薬理作用に基づいた副作用の考え方を学ぶことで、実践的な薬剤管理の理解が深まります。薬剤師として副作用を適切に評価し、現場で活用できる知識を得るための参考書として一読をお勧めします(参考文献:どんぐり未来塾『薬物動態マスター術 第2版』)。

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