「ウーチーの薬剤師冒険記」第9弾 ~高カリウム血症の原因と対策を徹底解説!~

腎機能

はじめに

こんにちは、ウーチーです!今回は、高カリウム血症の治療と対策について詳しくご紹介します。腎機能が低下している患者さんや、特定の薬剤を使用している場合に血清カリウム値が上昇しやすくなり、重篤な不整脈や筋力低下などのリスクが高まります。カリウム吸着薬の特徴や注意点、食事で気を付けるポイントも含めて、日常のケアに役立つ情報をお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。


注意事項

本記事の内容は、一般的な医薬品および高カリウム血症に関する情報提供を目的としており、具体的な診療や治療方針を提供するものではありません。治療や薬剤の選択に関する詳細については、必ず医師や薬剤師にご相談ください。


1. 高カリウム血症の基準とリスク

高カリウム血症の基準とリスクは、一般的に以下の通りです。

カリウム値(mEq/L)リスクレベル主な対応方法
5.5〜6.0軽度食事指導や薬剤調整
6.0〜6.5中等度利尿薬やカリウム吸着薬の使用
6.5以上重度緊急対応(カルシウム、インスリン・グルコースの投与、透析など)

6.5 mEq/L以上の高カリウム血症は、心筋に異常を引き起こしやすく、不整脈や意識障害のリスクがあるため、迅速な対応が求められます。

2. 高カリウム血症の主な症状

高カリウム血症では、以下のような症状が出現することがあります。

  • 不整脈: 高カリウム値は心筋の電気的活動に影響を及ぼし、心室細動や心停止などの重篤な不整脈の原因となることがあります。
  • 筋力低下やしびれ: 筋肉の収縮が抑制され、脱力感や手足のしびれなどが生じることが多いです。
  • 吐き気・嘔吐: 消化器系にも影響を与え、気持ち悪さや吐き気を感じる場合があります。
  • 意識混濁やめまい: 血清カリウム値が非常に高くなると、意識が混濁したり、めまいが生じることもあります。

3. 高カリウム血症の原因と対策

高カリウム血症は、腎臓の機能が低下している場合や、特定の薬剤を使用している場合に起こりやすくなります。以下のようなカリウムを多く含む食品に注意することが重要です。

  • 果物: バナナ、メロン、スイカ、オレンジ、キウイ、アボカド
  • 野菜: ほうれん草、にんじん、かぼちゃ、里芋、山芋、さつまいも
  • 魚介類: イカ、タコ、ハマチ、カツオ、サバ
  • 飲料: 青汁、野菜ジュース、トマトジュース

特に青汁や野菜ジュース、トマトジュースはカリウム含有量が高く、摂取に注意が必要です。食事指導を通じて、日常的にカリウムの管理を行うことが効果的です。

4. カリウム吸着薬の特徴と使用法

カリウム吸着薬は、腸内でカリウムを吸着し、体外に排出することで血清カリウム値を低下させます。腎臓からの排泄が難しい患者にとって有用ですが、それぞれの薬剤には特性や注意点があります。

薬剤名特徴副作用・注意点
ロケルマ便秘のリスクが少ない。効果は緩やかで、1回あたりの薬価が高い(約1000円)
ケイキサレート古くから使用されるカリウム吸着薬。便秘や腸閉塞のリスクがある。
カリメート古典的なカリウム吸着薬。腎機能低下時に使用可能。消化器症状が起こる場合がある。

ロケルマは便秘のリスクが少なく、安全性が高いとされているため、現在主に使用されています。ただし、1回あたりの薬価が高価であり(約1000円)、効果が緩やかであるため、ケースによっては他の治療と併用することが一般的です。

※薬剤の詳細情報については、PMDA医薬品情報や各薬剤の添付文書を参照してください。

5. 高カリウム血症の治療と薬剤の継続

高カリウム血症の治療では、通常はカリウムを減らすことを第一に考えますが、患者さんの病状や他の疾患管理のために、MRAや腎機能保護のための薬剤を継続するケースもあります。その際、カリウム吸着薬の使用が有用です。

例えば、心不全や腎臓病でMRAを継続する必要がある患者さんには、ロケルマなどのカリウム吸着薬を併用することで、血清カリウム値を管理しつつ治療を続けることが可能です。MRAは心血管および腎機能保護に有効なため、特に必要とされる薬剤です。そのため、カリウム吸着薬の併用によってカリウム値を調整しながら治療を継続することが、より良い治療結果につながる可能性があります。

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おわりに

高カリウム血症は、腎機能が低下している患者さんやカリウムの排泄が困難な方にとって、命に関わるリスクが伴います。適切なカリウム吸着薬の選択と日常的な管理を通じて、健康維持を目指しましょう。患者さんの状況に応じて、MRAの継続とカリウム吸着薬の併用も検討し、安全で効果的な治療を行っていくことが重要です。

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